どんぐり君とおにぎり君のママの読書日記

本を読んで、疑問を解消しよう。

アイディア出しのスイッチになる本。『アイディア・スイッチ』。

あるときに、ふと良いアイデアが思いつくことがあります。
一方で、どんなによいアイディアが欲しいと思っても、全く良いアイディアが浮かばないこともあります。
どこかにアイディアを次々と生み出す発想のスイッチがあれば便利なのに。
本書はアイディアのスイッチを押してくれる本です。

 

アイデア・スイッチ

アイデア・スイッチ

 

 著者について

著者の石井力重さんはアイディア創出支援の専門家。
産学官連携の創造性ツールの開発プロジェクトでプロジェクトリーダーを務める他、アイディア創出支援ツールの企画製品化などの豊富な実績を持つそうです。
 

アイディアとは何か

多くの本ではアイディアを「既存の要素の新しい組み合わせ」と表現しているそうです。
これを読んで私は意外に思いました。
アイディアって、全く新しいものと言うイメージだったからです。
アイディアはすでにあるものの組み合わせで良いんだ。
そう思うと、アイディアを考え出す事のハードルが少し下がる気がします。
石井さん曰く、アイディアを考えだすこととは、
「既存の要素をたくさん集め、シャッフルし、新しい組み合わせを作る」
ことであり、
  • 既存の要素をたくさん集めることと
  • 新しい組み合わせを作り出す
と言う2つの努力が必要なことがわかります。
 

既存の要素

既存の要素とは自分の頭の中にある知識とか情報等のことです。
だから何もない状態でアイディアを出そうとすると、頭の中にいかにたくさんの知見があるかに左右されてしまうことになります。
本書は、アイディアの材料をたくさん、しかもクオリティーの高いものを短時間で手に入れる方法を紹介しています。
本書の書かれていた材料の集め方について、簡単に紹介します。
 

既存の要素の集め方

本文にはこれらの材料をどのように使うのかが詳細に書いてあります。
 

発想のトリガーとなるもの

実際にアイディアを発送するときのヒントとなるフレームワークが紹介されています。
すぐに使えるものばかり。
リンク先にもやり方があります。
  • Scamper(どちらかと言うと文系的問題向いている)
http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0804/15/news007.html
  • USITオペレーター(どちらかと言うと理系的問題に向いている)
  • 6観点リスト(人、物、プロセス、環境、意味・価値、五感で認識するもの)
  • 12変化リスト
http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0907/21/news043_4.html
  • 智慧カード
https://ideaplant.jp/products/chiecard3/
  • エクスカーション(動物バージョンであれば動物の名前を10個浮かべ各動物の特徴を10個浮かべそれらとテーマを組み合わせてアイデアを作り出す。職業バージョン・場所バージョンもある。)

100円ショップのアイテムで作る発想ツールの紹介

アイディアを出す時に、紙、鉛筆、パソコン意外なものを使って気軽にアイディア出しをしようという発想ツールが紹介されています。
例えば辞書+サイコロ。
何らかのルールを決めてサイコロでランダムに、辞書から単語を拾います。
計三つの単語を拾います。
その三つの単語を掛け合わせてその意味からアイディアを出していきます。
その他、
マインドマップとマンダラートを組み合わせた蜂の巣ノート
・SCAMPERをしやすくするSCAMPERノート
・エクスカーションのために、動物・職業・場所、三つのフォルダーに画像を保存したものを準備する(その場で検索するのではなくて画像のみが保存されたデータを準備しておくことが鍵)
・最小限のブレーンストーミングの進め方ガイドが書かれたミニホワイトボード
・6 W 3 H シート( How much  whom   why  How many What Who Where How When)
が紹介されています。
 

ブレインストーミングの四つのルール

・判断遅延 批判禁止
・突飛さ歓迎 思考の多様性を担保
・質より量 出し尽くしてからあと10個
・他の人に便乗 少し違えば別のアイディア
この中でも「判断遅延」人の考えを批判しないこと、これが最も大切なルールであるとのことです。
そう、これわかってはいるけれど、こんな考えたら馬鹿にされるんじゃないかなって言う恐れを打ち破って、アイディアを出す割り切りや、空気を作ることがなかなか難しいですね。
と突飛なアイディアを歓迎することや質より量、他の人への便乗と言うルールも空気作りに役に立ってくれそうだと感じました。
 

革新的なアイディア創造法

新しい規格のコアとか、特に斬新なアイディアが欲しいとき、お勧めの方法。
いずれも検索すると、概要が描かれています。
・531ストレンジ
・9windows(TRIZ)
・エクストリームゴール
・TRIZ理想解
この三つは以下で紹介されています。
 
印象に残ったのは、アイディアは既存の要素の組み合わせであること、とにかくたくさん出さなければいけないと言うこと。
評価を恐れて出し渋っている場合ではない、とにかく出せるだけ出すのだと言う意識に変わりました。
また、出し尽くしてからあと10個。
この域に到達してみたい。そう思いました。

 

アイデア・スイッチ

アイデア・スイッチ

 

 

どうしたら、賢い子に育つのだろう。『子供の頭脳を育てる食事』。

本書は子どもの頭脳を育てる栄養素についての情報を提供するためだけに書かれた。
 
そんな出だしから始まる本です。

 

子どもの頭脳を育てる食事 (角川oneテーマ21)

子どもの頭脳を育てる食事 (角川oneテーマ21)

 

 

本書は薬学博士の生田哲さんによる本です。
生田さんはがん、糖尿病、遺伝子研究で有名なシティ・オブ・ホープ研究所、カリフォルニア大学などの博士研究員を経て、イリノイ工科大学助教授に。帰国後はライフサイエンスを中心とする執筆活動を行っている方です。本書以外にも多くの著作があります。
 
こちらはHP
 
どんな頭脳が理想か
最初に脳の話が書かれています。 
脳の中には1,000億もの神経細胞が詰まっているそうです。
2歳以降、子供の脳内の神経細胞は増える事はありませんが、神経細胞神経細胞のつながりであるシナプスは増えていきます。
劇的に。
生まれたばかりの赤ちゃんの脳内にある1個の神経細胞は、他の2500の神経細胞とつながりシナプスを形成します。
脳の中には1,000億もの神経細胞が詰まっているそうです。 
2~3歳になると、生まれた時は2,500だっだつながりが3万にもなるそうです。
(脳の中全体としては1,000億× 30,000 = 3,000兆個)
学習したすべての情報は、このシナプスに蓄えられていくつかの関連するシナプスがグループになって回路を作っています。
そして学習を繰り返すことによってつながりと回路が強化されていきます。
 
良い頭脳って何?~学習した情報はどのように伝わっていくのか~
情報は電気シグナルとなって脳内を伝わっていきます。
情報は常に
  • 電気シグナル
と言う形なわけではなくて
  • 電気シグナルと言う形から
  • 伝達物質という形
になっで神経細胞に伝わります。
また、
  • 伝達物質という形から
  • 電気シグナルと言う形
になってまた別の神経細胞に伝わっていきます。
このシステムが適切に働いているのが理想的な頭脳と言うことになるかと思います。
 
頭脳を作る栄養素
まず、直接的に、頭脳を作る栄養素として
紹介されています。
また情報を運ぶ伝達物質はアミノ酸から作られるのですが、アミノ酸を伝達物質に変化させるのには酵素が使われます。
しかし酵素はビタミンとミネラルがなければ力を発揮することができません。
つまり伝達物質を作るためにビタミンとミネラルが必要となります。
 
脂肪
オメガ6を少なめにオメガ3を多めに取ります。
最近ではオメガ3がいいと言うのはすっかり常識になってきましたね。
オメガ6の代表はコーン油、大豆油、べに花油、ひまわり油などの植物油。
オリーブオイルはオメガ9で、
オメガ3の代表はαリノレン酸EPADHAです。
Αリノレン酸はシソ油、アマニ油、含まれます
(100グラム当たり55グラム)
EPADHAは、サバ、マグロ脂身、キンキ、マイワシなどに多く含まれます
(可食部100グラムあたり、それぞれ1から3グラム)
本書のオススメは週に3回青魚をとること。
3回ですか! 全然取れてないですね。
 
リン脂質
燐脂質は脳の神経細胞はもちろん人体の全ての細胞の膜を形成する主成分だそうです。
また、演出は絶縁の役割をすることで脳内の電気シグナルの漏電を防ぐ役割もあるそうです。
燐脂質は魚介類、鶏卵、物、大豆にレシチンとして豊富に含まれています。
 
タンパク質
伝達物質の材料であるアミノ酸も重要。
タンパク質は銀杏でアミノ酸に分解されます。このアミノ酸が脳に運ばれて伝達部室に変換されます。
良質のタンパク質は、肉類、魚介類、とうもろこし、豆腐、豆類、牛乳、チーズなどの乳製品に多く含まれています。
 
ビタミンとミネラル
挙げられていた栄養素とそれが含まれる食物をメモしておきます。
  • ビタミンB1 豚肉、玄米、のり、たらこ、未精製の植物
  • ナイアシン 魚介類、未精製の植物
  • パントテン酸 肉類、魚介類、未精製の植物
  • ビタミンB6 未加工・未精製の植物、魚介類、バナナ、プルーン
  • 葉酸 ほうれん草、葉野菜、レバー、大豆、チーズ
  • ビタミンB12 肉類、魚貝類、鶏卵、レバー、いくら、うに
  • ビタミンC いちご、柑橘類
  • マグネシウム 緑色の早際、ナッツ類、種子、
  • カルシウム 魚介類、海藻類、乳製品
  • 鉄 赤身の肉、赤身の魚
  • 亜鉛 かき、ナッツ類、種子
 
糖について
糖の理想はスローカーボ。
子供の脳にゆっくり、長く、ブドウ糖を安定供給するのがベストだそうです。
具体的にはGI値の低い食品がオススメとのこと。
パンなら全粒ライ麦パン。
ご飯なら玄米。
 
あまりとらない方が良いもの
カフェイン、合成着色料、精製された砂糖、トランス脂肪酸
 
親としての最大の任務ってなんだろう。
子供が大きくなってくると、子供は家の外で多くを学んでいきます。
そしていずれは家族の外へ旅立っていきます。
子供は社会からの預かりもの。
そんな考え方がしっくりくるようになるのかもしれません。
今私にできる事のひとつが、おいしいご飯を用意すること。
頭脳を作る栄養素のことも意識しなければと思いました。ラスト著者の言葉の引用です。
 
子供の脳の大枠は、遺伝子に従って作られるが、遺伝子が全てを決めるのではない。子供なのはあなたが毎日食べさせる食べ物、子供が学んだことや経験によって変わり続ける。
……だから、親としてあなたの最大の任務は、子供の学習能力を高めるのに必要な最適な栄養素を提供することに尽きる。

 

 

子どもの頭脳を育てる食事 (角川oneテーマ21)

子どもの頭脳を育てる食事 (角川oneテーマ21)

 

 

 

似非科学に騙されがちなリケジョにオススメの本。『科学との正しい付き合い方』。

本書はサイエンスコミュニケーターの内田麻理香さんの本です。
内田さんは、 「世界一受けたい授業」は「すいエンサー」などに出演されたこともある方で、多くの著書も出しています。
理科の面白さを上手に伝える方としては、でんじろう先生が有名です。
でも、内田さんも、科学を世の中に面白く伝えるのが上手だな、私もリケジョとしてそうなりたいなと思い、著書を何冊か読んでいる中で出会った本です。
内田さんの本には、
  • 家事や料理などの身近な科学をトリビア的に紹介している本
  • 子供向けに身近な科学の楽しさを紹介する本
がありますが、
本書は科学的知識を紹介する本ではなく、ご自身の科学に対する考え方を書いた本です。
そういった意味で、私にとってはこれまでの内田さんの本の中で1番面白い本でした。
以下印象に残ったこと3つ書きます。
 

科学と物語性

実はいちばん共感したのはここでした。
科学は直接的には私たち、専門家以外に人たちの役には立たないかもしれない。
著者は、それを認めた上で、それでも科学と言う知識があることで意味が芽生え、そのストーリーが私たちの生活豊かにしてしまうことがある。
そんなことを書かいていました。
 
例えば京都を歩くとき。
古都の歴史をしているかどうかは、歩くという行為には直接影響しないかもしれません。
それでも、歴史をしているかどうかは、歩くという行為に意味をもたらし、深みをもたらすことがあるかもしれません。
 
鶏ハムを作るときは70℃で蒸すとプリプリの食感のものができます。
タンパク質はそれ以上の温度になると変性して硬くなってしまうので、それ以上の温度にはしない方が良いのです。
その理由を知っていてもいなくても、鶏ハムを70℃で蒸すという行動にはなんら影響は無いかもしれません。
それでも、私は鶏ハムを作るときに、タンパク質の変性を何となく想像してしまいます。
それこそが科学がもたらす生活の彩なのかもしれません。
 

専門家、マニア、そして普通の人……自分が一般人ではないと気づく

すべての人を、科学技術に費やす時間の割合、関心の高さでざっくりと
  • 科学技術の専門家
  • 科学技術のマニア
  • 科学技術に関心が低い普通の人
と言う3つの層に分類するという考えが書かれていました。
ここで初めて気づいたことがあります。
実は私、自分自身のことをこれまで普通の人だと思っていました。
しかし、本書を読んで自分は専門家とマニアの間位に位置するということに気づきました。
化学系のイベントがあれば喜んで参加するのは普通の人ではなかったのですね!
普通の人は「科学技術館」とか「サイエンスアゴラ」にワクワクしないのですね!
世の中の科学技術に対する関心度の低さを甘く見ていたのかもしれません。
そうすると、
「国民の科学技術離れを懸念して推進されている国の対策は、マニアに向けられたものが中心となっている」
この内田さんの指摘は、非常に鋭いものです。
科学と、一般の方の架け橋を作ろうとするイベントの1つに「サイエンスカフェ」があります。
私は、行ったことはありませんが、サイエンスカフェのイベントの案内を目にするたびに行ってみたいなと思っています。
しかし。本書によればサイエンスカフェという言葉自体の認知度が10%とのこと。
人によって興味をそれぞれなんだなぁとようやくメタ認知しました。
 

リケジョはニセ科学に騙される

本書には、
「洗濯の時に、これさえ入れておけば、洗剤不要。半永久的に使えます。」
と謳ったプラスチック製の洗濯ボールを3,000円出して購入する理系大学院を修了した女性の話が書かれています。
役に立つ科学に引かれてしまう。
この著者の指摘、胸に刺さりました。
世の中には科学的に判断が付かない商品がたくさん出ています。
なぜそうなのか。
パッケージに描かれたよくわからないまんがに騙されないで、自分の頭で考えられるようにならなければいけませんね。
わからないならわからないで手を出さない。
それも正しい結論の1つなのかもしれないと思いました。
 

最後に

本書は、おそらく著者としては科学技術の専門家やマニアじゃない方にこそ読んで欲しいと思って書かれた本なのではないかと思うのですが、やはり専門家やマニアの方に多くよまれている気がします。普通の人の目にとまるところにゆるい科学記事が書かれる。
そういうことの1歩1歩が、科学技術と広く関わる人を増やすことに繋がるといいな、私もその1歩ならできるかもしれないなとと思いました。