どんぐり君とおにぎり君のママの読書日記

アラフォー、2男の母のブックレビューです。読んだ本の簡単な内容・あらすじ・感想をメモしてます。

池井戸潤さんの「シャイロックの子供たち」を聞きました。~著者の原点となる職業小説

池井戸潤さんの「シャイロックの子供たち」を聞きました。

 

概要・あらすじ(Amazon内容紹介より)

「現金が足りないんです」。銀行の支店で起こった現金紛失事件。捜索の結果、当日の日付の入った札束の帯封が女子行員のショルダーバッグの中から発見され、疑いがかかる。女子行員は盗ったことを否定し、ミスを隠したい銀行は支店長らが金を出し合って補填をすることに。そのうち、別の男性行員が失踪――。
東京第一銀行長原支店――中小企業や町工場がひしめき合う場所に立地し、それらの顧客を主な取引先とする銀行を舞台に、〝たたき上げ〟の誇り、格差のある社内恋愛、家族への思い、上らない成績……事件の裏に透ける行員たちの人間的葛藤を描く。銀行という組織を通して、普通に働き、普通に暮すことの幸福と困難さに迫った傑作群像劇。

内容のメモと一言感想

著者の転機となる一冊。

半沢直樹シリーズで有名な著者による、銀行舞台にした小説。2006年に出版された本で時代背景は20年近く前。当時の銀行の生々しい面がリアルに描かれている。物語はオムニバス方式で銀行に勤める様々な行員の目で交代で語られ、消えた現金の謎が、やがて一本の線に繋がっていく。

職業小説

銀行員であったバックグラウンドを存分に活かされた職業小説。描写や背景をとてもリアル。 銀行の体質を体現する男たちが中心で、専業主婦が多いのも時代背景か。(そもとも今もそれほどかわらないのか。)物語に登場する行員のキャラクターもどれも「ありそう」。普段はヘラヘラしているけれどしっかり部下をかばう西木さん、一本筋の通った仕事のできるしっかり者愛理ちゃんが小気味よかった。

おすすめ度 ★★★★

銀行のリアルさ、キャラクターのリアルさ+エンタメ性が素晴らしい小説。ラストが小説っぽいけど少し物足りない感じも。

ドラマか映画化の予定。

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