2021年2月に読んだ本のまとめです。
実用書
すごい90歳
70歳でベンチプレスを一チャンピオンになった奥村さんの生き方のお話。
規律性をお持ちのようで、自分で決めたルールを自分で守るところがすごい。
特に印象的なのは、食事。
タンパク質、肉をきちんと取り、白米を1日三膳食べるのは多すぎると自分で量を見極め、その量を守り続けていらっしゃいます。
トレーニングに通う頻度、そしてその内容も厳格に自己のルールを守っていらっしゃるようす。
欧米などでは太っていると自己管理能力がない対面せずに悪影響を及ぼすことがあると聞いたことがあります。
奥村さんは、とても90歳とは思えないほど均整のとれた美しいプロポーションで、その体つきが彼女の自己管理能力を体現しています。
筋肉をつけ、年を重ねていくことを実践しているその行動力、継続力、かっこいいなぁと思いました。
教育
野球少年あるある
今月は子供の少年野球に絡んだ本を2冊読みました。
1冊目は少年野球のあるある本。
デッドボールが当たったら、お母さんの所に行っちゃうとか一塁と三塁が分かってないとか、野球を始めたての年長さんや1年生の可愛いあるあるに始まり、レアなあるあるまでが掲載された本。
あるある語りは対象物への並々ならぬ愛。
著者は少年野球を本当に愛しているんだろうなぁと感じました。
少年野球を愛するお父さん、お母さん向けほっこり本。
野球少年のやる気と能力を最大限に引き出す魔法のアドバイス
- バッティングセンターでは、次の弾はツーストライクからの最後の球だと思って打たせる→練習のための練習ではなくて本番のための練習にする
- 今打ったらサヨナラ勝ちをすると言うシーンを想像させて練習する
- ネクストバッターズサークルが1番星緊張するのでそこで深呼吸をする
小説
- 坂木司さんのひきこもり探偵シリーズ、先生と僕、 シンデレラティース、ホテルジューシー
- 楡修平さんのラストワンマイル
- 村上春樹さんの騎士団長殺し
を読みました。
坂木司さんのひきこもり探偵シリーズ
坂木司さんの代表作、ひきこもり探偵シリーズ3冊を読みました。
家庭環境に問題を抱えるひきこもり鳥井真一、その友人、坂木司が身の周りで起こる出来事に纏わる謎を解いていく作品。
いわゆる日常の謎もので(人の生死が関わることもあるけれど、直接殺人事件ではない)軽い気持ちで読んでいると、はっと胸をつかれ、どこかで深く共感してしまう、何か覚えのあるような感情が生じます。
ひきこもりの鳥井が、そして、どこかで取りに依存している坂木が、成長していく物語でもあります。
坂木さんの本は、日常の謎が呼び水で真髄は心理描写にあるといつも感じます。
シンデレラティース・ホテルジューシー
ある女子大生の2人組の友人の夏休みとのA面とB面を語った小説。
2人はそれぞれ歯科、沖縄のホテルでバイトをし、お仕事に関連する謎を解きながら成長していきます。
2冊合わせて読むのがおすすめ。
ラストワンマイル
運輸会社の一社員、新しいビジネスモデルを立ち上げるお話。
少し前の本で、現代に生きる私たちはすでにある程度回答を知って読んでいるとも言えます。
上司の承認とか社内の決済とか、そのあたりの泥臭い感じが非常にリアルに描かれている作品。
騎士団長殺し
未読だった村上作品を読みました。
出てくるモチーフが、これは他の作品にも出てきたメタファーだなと懐かしく、その謎ときはできないけれど、それでも、世界観と雰囲気を楽しむことができ、さすがに一気に読んでしまえる作品でした。
それでもやはりそれぞれが何の隠喩かは気になるし、再読したくなる。
この後ろ髪惹かれる感、謎が残っている感は、他の小説ではなかなか感じないなと思いました。
マンガ
東京タラレバ娘 シーズン2 4巻
現代のアラサー女性が見事に描かれた作品。期待を裏切らない面白さでした。
ついに、シーズン1のあの人達が登場。
東京下町の老舗・質屋を舞台にした、宝石のオーラが見える質屋の娘・志のぶの物語。少女漫画っぽい軽やかさと、専門知識のコンビネーションが、のだめカンタービレの著者の持ち味。宝石のうんちくは知らねどもサラサラ読める作品です。
振り返り
2月のベスト本は坂木司さんのひきこもり探偵シリーズでした。
元々このミステリーの日常の謎というジャンルに惹かれます。
そこをベースとした心理描写のうまさ、そのキャラクターならば、そう思うのが自然であろうようキャラクターが生きていると思いました。
そして彼ら彼女らの感情の吐露を、自分が感じていたことを初めて言語化できたかのようなスッキリ感と共に読める。
著者の本、いつもそんなところがすごいな、と感じます。
ちなみに坂木司さんの私的ベスト本は今のところこちら。