坂木司さんの「切れない糸」を読みました。
概要・あらすじ(Amazon内容紹介より)
東京の商店街育ちの新井和也は、大学卒業を間近にした冬、家族の危機に直面する。そこで急遽、就職の決まっていない和也が、家業の新井クリーニング店を継ぐことに。同級生たちの新しい門出に沸く春、不慣れなクリーニングの集荷作業で、お客さんから預かった衣類から思わぬ謎が生まれていく。同じ商店街の喫茶店で働く沢田直之、店のアイロン職人・シゲさんなど周囲の人々に助けられながら、失敗を重ねつつも謎を解明していく和也。商店街の四季を通じて和也の成長と、人の温かさをさわやかに描く、連作集。青春ミステリの決定版。
内容のメモと一言感想
印象に残ったところ
商店街のよさ。
若い頃は商店街の知り合いに話しかけられるのがうっとうしかったけど、今ではそれを楽しめる。商店街の良さだと思えるというところ時代に即した考え方だと思いました。
チェーン店のドライさの方が楽である気持ちと、それでもスタバの店員さんとの会話を楽しいかもと感じる気持ち。後者の方が強い人は、実は商店街に回帰するのもよいのかもしれません。
商店街=専門家集団というとらえ方も、よいと思いました。
世界一ではないけれど、地域で一番詳しいという立ち位置で、たくさんのことができるのではないかと気づかされます。
そして、クリーニングの物からその人の生活は、確かに読み取れるかもしれません。人間観察。そしてそこからの職業当て。職業当ては探偵の基本ですね。
好きなキャラクター
アイロンのシゲさん。
おすすめ度 ★★★★
ひきこもり探偵シリーズと、すこしかぶるかな。
お父さんがなくなり、自らがクリーニング店を継ぎ、とひきこもり探偵シリーズよりは自分ごと感。