鳩見 すたさんの「なるほどフォカッチャ ハリネズミと謎解きたがりなパン屋さん 」「ときめきフォカッチャ ハリネズミと謎解きたがりなパン屋さん」を読みました。
概要・あらすじ(Amazon内容紹介より)
「人の秘密はそっとしておかなければならないんです。膝の上に乗ったハリネズミみたいに」
いつも無表情な麦さんは“ささいな謎”を愛する、ちょっと不思議なパン屋の店員さん。
彼女の貴重な笑顔に一目惚れして以来、毎日せっせと謎を探しお店を訪ねる僕。パンとコーヒーと“ハリネズミ”とともに、今日も僕らのおいしい謎解きが始まる――。
“なるほどフォカッチャ”。それは「僕と彼女」を結び、「日常の謎」を紐解く魔法の合言葉。
内容のメモと一言感想
いわゆる、日常の謎ミステリ。
ちょっとオタクっぽい? 主人公の男子学生と、パン屋さんの一人娘麦さんの物語。
はじめの、電車の中がすいたとき、隣に座っていた人に席をあけられるとちょっと寂しく思ってしまうという捨吉の微妙な心理と、それを読み取りわざわざ疎外感を感じさせないようにふるまう麦さん。
この何気ないシチュエーションで生じる感情と、それに共感する2人が良いなと思いました。
ときめきフォカッチャでは、主人公のバックグラウンド、麦さんの出生にまつわる謎に話は展開していきます。
主人公の出生にまつわる話に進んでいく展開は、ベタだとわかっていても引き付けられます。
おすすめ度 ★★★
真夜中のパン屋さんに続き、パン屋が舞台の物語を読んでみました。
パンや、ハリネズミというほんわかイメージと、死などの重いテーマの、一見ミスマッチな取り合わせが、逆にリアルさをかもしだしているのかもしれません。