どんぐり君とおにぎり君のママの読書日記

アラフォー、2男の母のブックレビューです。読んだ本の簡単な内容・あらすじ・感想をメモしてます。

【kindle unlimited】水嶋広子さんの「つい気にしすぎてしまう人へ」を読みました。~他人の輝かしい情報をきいて、それに比べて自分はダメだと思ったら、心への衝撃は体への衝撃と同じと考える。

水嶋広子さんの「つい気にしすぎてしまう人へ」を読みました。

概要

本書は精神科医の水嶋広子さんによって書かれた本です。
水島広子さんは慶応大学医学部精神神経科勤務を経て、衆議院議員を2期経験。
現在は対人関係療法専門クリニックの院長などをしていらっしゃる方。
心の健康のための講演や執筆も多くこなしていらっしゃる方で、主な著書に「女子の人間関係」「他人の目が気になる人へ」「怒りがスーッと消える本」などがあります。

本書は、

  • 周りに対しては元気な様子を見せていても、
  • 心の中では何か心に引っかかる事があって、クヨクヨとイライラと気にしてしまう。

そんな人に書かれた本です。
本書によれば、実は、クヨクヨ・イライラ・不安といった感情は誰もがふりや振り回されやすいもので、このような感情と上手く付き合っていくコツは案外シンプルで簡単なことであるとのこと。
そのちょっとしたコツを説いた本です。

内容のメモと感想

心への衝撃は体への衝撃と同じように考える

Aさんの出世、Bちゃんの留学、Cくんの資格取得。
他の人はこんなにすごい、という情報をきいたときは、それに比べて自分は……と自分分はこのままでいいのだろうかとか、自分はなんてダメなんだろうと自己肯定感が下がりがちです。
足りないところ探しの虫眼鏡で自分を見ていると、足りないところはいくらでも見つかってしまうとのこと。
こんな時は、不安や落ち込みの感情も含めて、今現在、自分に起こっていることは、そうかショックを受けたからだと認めること。
特に分かりやすかったのは身体への痛みの比喩。
私たちは足の指を家具などにぶつけるとジーンと痛みを感じます。
その痛みはしばらくは続きますが、私達はそんな時、救急車は呼んだりはせず、ただ痛みが去るのを待つことができます。
その痛みがやがて去るということを経験上知っているからです。
心の痛みについても、これと同じように考えればいいとのこと。
人が輝いているという情報は、衝撃です。
だからその衝撃を受けた心が収まるのを待てば良いとのです。

今に焦点をあてて生きる

心の余裕がなくなっている時には、視点が過去や未来に行ってしまい、今起きていることからずれている場合があるとのこと。
大事なのは今を生きること、つまり今目の前のことに集中して今の質を高めていれば、それを積み重ねた先である未来の質も高いものになるということ。
私たちは今に集中している時に最も力を発揮できる。
だから、不安を感じたら、今に集中するとよいとのこと。
今を生きるために必要なのは、実は意義や目的を考えないということ。
今だけが、幸せや心からの満足を味わえる時間であるとのこと。

余裕を失った時の考え

  • 衝撃が大きい受けただけと考えること、
  • ちゃんと今に視点が置かれているか考えること、
  • ありのままで大丈夫と思うこと

自分を実験材料として扱ってみようという考え方

プレゼンなど、何か「うまくできないかも」というイベントの前に緊張してしまう場合の考え方。
このような場合、

  • このぐらいの準備をしたら、
  • この位のできになる

というデータを蓄積していると考えるとよいとのこと。

もっと大きな視野で、

  • このぐらいやったら
  • このぐらい出来た
  • じゃあ、次はこうしてみよう、

と次回に生かす考え方をしていきます。

失敗しても「その時はその時」「その時の失敗は次回に役に立つんだ」と考えます。
そもそもプレゼンなどは相手あってのものだから、相手も人間なんだから多少は認めてくれると考える。
完璧を目指すのは、そもそも非人間的。

他人の転職・結婚に焦ったら

他人とは違うタイミングでも、自分のタイミングで転職や結婚ができれば良いと考えます。
目標への道は一筋でなくても大丈夫。

対人関係の不安、もやもやについて

他人に何かモヤモヤするようなことを言われたら、それぞれの人で考え方も感じ方も異なる、人がどう思うかは、その人のその時点での受け取り方に過ぎないと考える。
困った相手に出会ったら、相手にも事情があると考えてみる。
目の前にいるのは何か訳がある人と考える。

アドバイスはこちらの領域への侵害だということもできるとのこと。
不法侵入に対しては防御反応が起きるから、ネガティブな感情を抱いてしまう自分をそのまま受け入れる。
そんなひどい衝撃を受けた自分をいたわってあげる。
人を傷つけるようなことを言う人は、訳ありだよなと思って距離を置いたり、訳ありだから仕方がないという目で見たようにするようにする。

物事が思い通りにいっていないとイライラする

物事が思い通りいっていない自分のことを困っているんだな、大変だったなぁと自分に声をかける。
とにかく現実として認めて、自分をいたわるモードに入る。

おすすめ度★★★★★

心への衝撃は体への衝撃と同じように考える、今を積み重ねる、相手にも事情があると考える。

どの考え方もなるほどで、このように考え方を切り替えるだけで、ずいぶん生きるのが楽に自分の道を歩めそうと思える言葉が詰まった一冊でした。

自分が嫌になるなど、落ち込んだときにききそうな一冊です。

水嶋広子さんの本はいつも読みやすく、なるほどです。