恩田陸さんの「上と外」を読みました。
内容・あらすじ
中学生の練は、両親の離婚の為、家族とは別れて暮らしている。
考古学者の父は中南米のG国におり、妹の千華子は母の千鶴子と一緒に暮らしている。
ある夏休みに、練と千華子と千鶴子は、父のもとを訪れる。
そこで家族は軍事クーデターに巻き込まれる。
家族は軍に拘束され、練と千華子は移送中にヘリコプターから放り出され、ジャングルに。
果たして家族達は無事日本に生還できるのか。
感想
突然のサバイバル
異母兄妹、両親の離婚、お母さんの再婚。
そんな事情を抱える練くんと、千華子ちゃんの青春物語と思いきや、あれよあれよという間に軍事クーデターの軍に拘束され、ヘリコプターから放り出され、ジャングルでのサバイバル劇へと一転。
想像していたのとは随分違う展開でした、冒険劇として一気に読まさせられる面白さでした。
ファンタジー色を感じる作品
マヤの国の成人式、少し日本語がしゃべれるニコの登場など、ファンタジー色を感じました。
ニコのキャラクターは少々出来過ぎですが、ファンタジーと思えばありかな、と思えます。
ニコが、成人式の参加者達が不正をしていないかどうか確認するシーン、一番ハラハラしました。
後半は意外性はあまりないですが、きっと、ハッピーエンドにまとまるだろうという読者の想像通りにまとまってくれて、かえって安心しました。
いとこたちの活躍も見たかった
恩田さんの作品はどのキャラクターも清々しくかっこいい。
脇役として顔をのぞかせるいとこやおじさん、おじいちゃんもまた、素敵な模様。
彼らと、練と千華子がからむ後日談が見たいような気もしました。
おすすめ度★★★★
異母兄弟の登場に「夜のピクニック」と同じ設定? と思いましたが、全然違う話でした。
この作品を読んだ後でも、私的には、学園物の「夜のピクニック」が一番好きなのですが、この作品も違う色で面白かったです。
一気に読みました。