恩田陸さんの「六番目の小夜子」を読みました。～途中怖すぎだけど、爽やかな青春ホラー。吉田秋生さんの吉祥天如を思い出しました。

恩田陸さんの「6番目の小夜子」を読みました。

六番目の小夜子 (新潮文庫)

作者:陸, 恩田
発売日: 2001/01/30
メディア: 文庫

内容・あらすじ

とある地方の高校が舞台の話。

その方向では3年に1度「サヨコ」と呼ばれる役を割り当てられる生徒がいます。

ある年、その高校に本当に小夜子という名の子が転校してきます。

今年の「サヨコ」は「沙世子」なのか。

ミステリー＆ホラーの濃い作品。

以下「BOOK」データベースより

とある地方の高校に伝わる奇妙なゲーム。三年に一度、学園祭で行われるそのゲームは、学校の運命を占えると言われていた。ゲームは一人の生徒によって行われる。その生徒は「サヨコ」と呼ばれ、十数年間、秘密裡に受け継がれていた。「六番目のサヨコ」の年、一人の転校生がやってくる。名前は津村沙世子。それは不慮の事故死を遂げた「二番目のサヨコ」と同じ名前だった。

感想

怖すぎて学園祭の劇のところが読めなかった

学園祭で、百物語さながら生徒1人1人がセリフを繋げ、真っ暗闇の中でお話を作ろうとする企画の中、ホラー的ハプニングが続発します。
ここ、怖すぎて読み飛ばしてしまいました。
恩田陸さんといい、辻村深月さんといい、さわやか心理描写の学園物、好きなのですが、なぜホラー……読めない。

主人公たちには好感しかない

夜のピクニック同様、沙世子はもちろん、主役の仲良し４人組はとても爽やかな魅力的な人物に描かれています。

（恩田さんの学園モノではスクールカースト的なものは感じない。）

沙世子は、少々ミステリアスではありますが、女友達の雅子は純粋に沙世子が好きで、憧れ・好感をいだいている様子で、読んでいて怖いというよりは、雅子のあこがれに共感しました。
もし、学生時代にこんな先輩がいたら、憧れが憧れを膨らませてファンになってしまいそう。
秋くんも、かしこく、落ち着いた少年として描かれており、小夜子と秋くんにあこがれる生徒が多いことにもうなづけます。
爽やかな青春の香り。