天野暢子さんの『話さずに決める! プレゼン』を読みました。
「一言も話さず決めたプレゼン実績、多数」。
本書の著者である天野暢子さんのプロフィールに書かれた言葉です。
インパクトのあるプロフィールですよね。
先日、天野さんの講師となるイベントの案内を目にしました。
残念ながらそのイベントは都合が合わず参加を見送ったものの、プロフィールの強烈なキャッチコピーを拝見して興味を持ちこちらを読んでみました。
サブタイトルは、「15秒で納得させる通る資料の作り方」。
内容のメモと感想
プレゼンの勝負はいつ決まるか
普通に考えれば、
- プレゼンの途中とか、
- プレゼンが終わった瞬間とか
天野さんの答えは「対面プレゼンの前」。
コンペなどでは
- 書類審査を通なければ、対面プレゼンの機会自体が与えられない
- 先方の担当者やその背後にいるキーパーソンは、書類審査を終えた時点で何を採用するかほぼ腹を決めている
つまり、話す機会を与えられたときには結果が決まっているとのこと。
逆に言うと、対面プレゼンの場で多少失敗しても、プレゼン資料の作り込みがしっかりできていれば、うまくいくことがあるということです。
本書は話さずに決める「勝つプレゼン資料」を作るには具体的にどうすれば良いかが書かれた本です。
通る資料に欠かせない3つのポイント
著者は3つのポイントとして
- ビジュアル
- カラー
- シンプル
をあげています。この3つを抑えれば文章が下手でも、話が下手でも、通る資料が作れるとのことです。
具体的なテクニック
以下、やってみたい と思ったテクニックのメモです。
具体的に盛り込む
- 数値を出す
- 金額を出す
- スケジュールを示す
- マスコミにプレゼンの後押しをしてもらう
数値の書き方
- 数字は右揃え
- カンマをつける
理想的には文字は全てビジュアル化
- イメージイラストをつける
- スケジュールをビジュアル化
- 家族関係 ⇒ 系図
- 場所 ⇒ 地図上
- 写真 「百聞は一見にしかず」
文字の使い方
- 見出しには体言止めが効果的
- 目次はグループ分け
- 接続詞は使わない
シンプルに
- 3つに絞る
- 3つをさらに一言でいう
カッコいい見せ方
- 余白を使う
- 黒ふちは無し
- グラデーションで、高級感
本書の良いところ
ビジュアルで資料の理想アフターが示されていて、このポイントを直すとどうなるどう良くなるのかというのが一目でわかるようになっているところです。
実際にパラパラとめくって「みる」ことをおすすめします。
感想
読んで感じたのは「勝つ」ためには、細やかな配慮の一つ一つの積み重ねが大事だということです。
はっとしたのは、先方の決定を促すような様々な工夫を仕掛けておくということ。
例えば
- 大勢の関係者が同時に目を通せるように複製を渡す
- まとめて回覧できるようにバインダーに入れる
- いつでも問い合わせができるように連絡先を記載する
- 返信用封筒を入れる
なぜ、著者はここまでするのかというと、プレゼンの目的が明確だからなのです。
よく「プレゼンの目的を考えろ」とは言いますが、例えばコンペの場合、目的が「勝つ」では抽象的です。
ゴールの「勝つ」というのは、例えば具体的には相手にハンコを押してもらって返信用封筒を返信してもらうところ。
そこまで具体的に落とし込むというのが大事なんだなと思いました。
書かれたテクニックは、
- 何かひとつを採用するのでも効果があるかもしれませんが、
- ひとつひとつ積み重ねることが
勝者はここまで準備する。そんな教えの一冊でした。