村山由香さんの「優しい秘密 おいしいコーヒーのいれ方 VIII」を読みました。
概要・あらすじ(Amazon内容紹介より)
「かれんと付き合ってるって本当?」花村のおばさんから聞かれ、とっさに否定してしまった勝利。誰も傷つけたくなくて、ふたりの関係を守りたくて、ずっと秘密にしてきた。それが間違いだったのか。勝利へ思いをよせる星野りつ子の存在も、かれんには言えなくて。後ろめたいから言えない。言えないからますます後ろめたい。秘密は増殖する。悩み多きシリーズ第8弾。
内容のメモと一言感想
かれんを傷つけないために、りつ子に傷つけないために、かれんの母を傷つけないためにかれんの母に、嘘を重ねる勝利。
本書もいよいよ8巻。あこがれの年上のお姉さんだったかれんへの淡い恋が、両想いへと進展し、一見ゴールかと思いきや、そこからが長い。両思いが通じたとおもってからが始まりという点、これが現実という気もします。2人の恋には次々と障害が立ちふさがり、ただの平穏なカップルとしての日常にはなりません。
おすすめ度 ★★★★
ここにきて、かれんが実は養子であること、実のおばあちゃんが健在であること、それらを知っていることを両親に伏せていること、かれんと勝利がつきあっていること、勝利が1人暮らしをしていること、などなどいろいろな秘密が絡まりあって、勝利は嘘を重ね苦しみます。その秘密を洗いざらい知っている人が、当事者以外にはいないというとても苦しい状況。著者は、登場人物を苦しめるのがお上手。な一冊でした。