垣谷美雨さんの「竜巻ガール」を読みました。
内容・あらすじ
父親の再婚相手の連れ子と同居することになった高校二年生の哲夫。なんと義妹は同学年のガングロ娘だった!その日から破天荒で過激な彼女に翻弄される日々が始まる…。第27回小説推理新人賞を受賞した表題作の他、浮気性で能天気な夫を捨てた母、川で溺れる男を置き去りにして逃げた愛人、一回り年下の中国人の夫の秘密を見つけ心乱す妻など、トラブルに巻き込まれても軽やかに生きる女性たちを描いたデビュー短編集。(「BOOK」データベースより)
感想
初々しい短編集
印象に残ったのは表題作と、過潮ウーマン。
デビュー作ってきちんと初々しさがあるなぁと感じました。
垣谷さんの他の長編とは少し雰囲気が違います。
竜巻ガール
ガングロ少女が印象的。
シングルの子どもは金銭的にきびしいこと、結婚と経済的問題は密接であり、経済的に合理的であることを突き付けられるお話。
垣谷さんは、いつも女性の生きにくさをテーマにしています。
本デビュー作からそのテーマの一貫性を感じました。
竜巻ガールの題材は女子高生。ひとり親の子どものに焦点を当て、生きにくさを描いた点、新鮮に感じました。
過潮ウーマン
ハウスメーカー勤務の女性が主人公。社内浮気→次期社長の恋人に。
主人公のほうが一枚上手、というのが気持ち良い。賢い女性、強い女性が描かれた爽快感あるお話。
おすすめ度 ★★★
ここのところ著者の長編をたくさん読んだので、短編だと少し物足りない感も。
竜巻ガールはドラマ化されているとのこと。