どんぐり君とおにぎり君のママの読書日記

アラフォー、2男の母のブックレビューです。読んだ本の簡単な内容・あらすじ・感想をメモしてます。

椰月美智子さんの「どんまい!」を読みました。~等身大のちょっと情けないところもある主人公たちに、ごく自然に共感できるオムニバス。

 

椰月美智子さんの「どんまい!」を読みました。

 

どんまいっ! (幻冬舎文庫)

どんまいっ! (幻冬舎文庫)

 

内容・あらすじ

青春―。それは人生のなかで最も輝かしく希望に満ちた頃。でもキラキラしていなくったって青春なのだ!ラクダ顔のくせにイチ早く童貞を捨てたキャメル。年上の風俗嬢にハマったマッハ。初めての彼女と付き合い続けるゲイリー。それぞれに、人生の岐路はやってきて…。くだらなくも幸せな男たちの日々を鮮やかに描写した青春群像劇の傑作。(Amazon内容紹介より)

感想

「普通の」高校生の男の子3人が、大学生の子どもをもつお父さんになるまでの、彼らと彼らの周りの人の日常を切り取った作品集。

最初のお話は工業高校に通う男の子ゲイリーが主人公。
ラクダ顔のくせに彼女がいるキャメルの紹介で、ゲイリーとその友人マッハには合コンにいき、そこでめでたく彼女ができます。
2話目の主人公はキャメルの彼女まりあちゃん。
行動力があり、大学に入り見た目もすっかり美しく変貌したまりあが、新たな恋に出会うお話。
3話目の主人公はまりあの大学の友人ミューちゃんが主人公。
まわりの評価を気にせずマイペースに独自の世界を持つミューちゃんの会社の一コマが描かれます。
その後物語の主人公は、マッハ、マッハの妹、ゲイリー彼女であり妻になった麻衣子、高校時代にマッハの彼女だった愛、そして、キャメル、最後にゲイリーの息子に移ります。
彼ら彼女らの日常には、「どんまい!」と声をかけたくなるような残念な、普通の人の日常に起こり得る事件が起きますが、主人公たちは続く日常を生き抜き、少し強くなっていきます。

おすすめ度★★★★

普通にいそうな主人公たち、身の回りで起こりそうな小さな事件。
主人公や出来事の等身大さに、描写と心の動きにここちよく共感できる作品です。
著者・椰月美智子さんは、本作のような、どこにでもありそうな日常と、等身大の主人公の心の動きを描くのがとても上手だなと、思います。
それを違和感なく改めて感じる作品。

どんまいっ! (幻冬舎文庫)

どんまいっ! (幻冬舎文庫)