どんぐり君とおにぎり君のママの読書日記

アラフォー、2男の母のブックレビューです。読んだ本の簡単な内容・あらすじ・感想をメモしてます。

住野よるさんのか「」く「」し「」ご「」と「を読みました。~ちょっと特別な能力を持った、いろんなタイプの高校生男女5人の青春小説。

 

住野よるさんのか「」く「」し「」ご「」と「を読みました。 

か「」く「」し「」ご「」と「

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内容・あらすじ

みんなには隠している、ちょっとだけ特別なちから。別になんの役にも立たないけれど、そのせいで最近、君のことが気になって仕方ないんだ――。クラスメイト5人の「かくしごと」が照らし出す、お互いへのもどかしい想い。ベストセラー『君の膵臓をたべたい』の著者が贈る、眩しくて時に切ない、共感度No.1の青春小説!
(Amazon内容紹介より)

高校生の男女5人の青春物語。
5人にはそれぞれちょっとだけ特別な力があります。
でもそれはみんなには内緒。
おとなしめの少年京と、クラスの人気者ヅカ。
やっぱり、おとなしめの女子エルと、クラスの人気者の明るいミッキーとパラ。
一見、接点のなさそうな5人が徐々に、そしてお互いに宛てた手紙をタイムカプセルに忍ばせようとするほど仲良くなります。
誰かの誰かに対する想いを秘めながら……。

感想

おとなしめの少年京の語りから始まり、おとなしめの女子エルの語りで締まる、リレー形式のオムニバス

一番手の語り手は京くん。
音楽の趣味が共通することがきっかけでクラスの人気者のヅカと仲良くなり、ミッキーやパラと、自然に話せる関係になっていきます。

京くんは自己評価が低く、自分なんか、と思ってしまう卑屈な面も。
クラスの人気者のミッキーへの思いをなかなか表すことができません。

京くんの、一番の理解者はやはり大人しめの少女宮里さん。
この2人は思ったことを素直に言えるタイプではなく、自分の中で反芻するタイプ(内省)。
内省が強い2人は一見似ています。
だからこそ余計、ラスト宮里(エル)から、京にあてた手紙は響きました。
お互いの気持ちがきっと一番手に取るように分かる2人だからこそ言えることがありました。
5人組が、クラスの人気者のみからなるグループではないところが、いわゆるスクールカーストによって、この5人がクラスの立ち位置によってへだてられたりしていないところが良いなと思いました。

タイムカプセルの中に当時の思いを忍ばせるか否か

好きな人(まだ思いをふせている)への手紙をタイムカプセルに入れる。
京くんが困るのも無理のないことです。
もしかしたら数ヶ月後に告白して振られているかもしれないし、
恋が成就してお付き合いが始まったとしても、10年後には別れているかもしれません。
あるいはその思いはずっと伏せたまま、ほかの人を好きになるかもしれません。
どうなるにしろ、なんて書いたらいいのやら……
何度も見悶えるこれは青春らしくて面白いシュチュエーションでした。

特別な能力があったって、結局できることは限られているのかもしれない。

仮に人の気持ちが少し見えたとしても、結局行動するかどうかは意思次第。
そうかもしれないと思ったり、いやいや少しでも見えたら行動ストップしたり、後押ししたりする助けにはなるだろうなと思ったり、ちょっと考えさせられました。

おすすめ度★★★

いろんなタイプの男の子、女の子が出てくる、5人全員の目線からそれぞれ語られる、程よい青春小説でした。万人受けしそうな作品。
京くんと、ミッキーのその後が気になります。

 

か「」く「」し「」ご「」と「

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