どんぐり君とおにぎり君のママの読書日記

アラフォー、2男の母のブックレビューです。読んだ本の簡単な内容・あらすじ・感想をメモしてます。

垣谷美雨さんの「うちの子が結婚しないので」を読みました。~結婚するすべての人にすすめたい本

垣谷美雨さんの「うちの子が結婚しないので」を読みました 2019/10/24

 

うちの子が結婚しないので (新潮文庫)

うちの子が結婚しないので (新潮文庫)

 

 

内容(「BOOK」データベースより)

老後の準備を考え始めた千賀子は、ふと一人娘の将来が心配になる。28歳独身、彼氏の気配なし。自分たち親の死後、娘こそ孤独な老後を送るんじゃ…?不安を抱えた千賀子は、親同士が子供の代わりに見合いをする「親婚活」を知り参加することに。しかし嫁を家政婦扱いする年配の親、家の格の差で見下すセレブ親など、現実は厳しい。果たして娘の良縁は見つかるか。親婚活サバイバル小説!


感想

これから結婚するすべての人にすすめたい本

結婚って、本当にメリットのあるものなんだろうか。
と考えさせられる作品。
結婚を、婚活を考えている方におすすめです。
そして、まだまだまだまだ先ですが、子供が結婚するという時にもう一回読んでみたい本です。

お見合いや婚活だと、相手の「条件」で冷静に判断できる

結婚しようと思っている候補者が赤の他人である。情が入っていない。
これはある意味素晴らしいことなのかもしれません。
要件が合わない、とバッサリ切り捨てることができるからです。
恋愛⇒結婚ではお互いのことに夢中で、とても基本的な要件や、大事な要件が会うかどうかが見えなくなってします。
その結果、お金や住む場所についての考え方、そして、価値観の不一致に、結婚して冷めてから気づくというわけです。
逆に、お見合いや婚活だと、相手の「条件」で冷静に判断できるため、相手が条件な相手がなかなか見つからなかったり、例えいたとしても、結婚に踏み切るまでの熱が不足することもあるかもしれません。

ということが、具体的な事例をもって理解できる本。

以下、本書より

恋愛なら年齢もお金も住んでいる場所も、家族関係も全てを乗り越えてしまう、細かいところは二の次どころか眼中にさえないだろう。周りが反対しようがバカだと言うが、目を覚ませというが、それらをなぎ倒してふたりの世界に突き進む。平静さ欠く状態ともいえるが、それがなくてはなかなか結婚にたどり着くことができないのではないか。

 

恋愛結婚の相手を好きという気持ちですら、錯覚かもしれない

主人公の夫(婚活中のともみの父)は男性らしい身勝手さも持ち合わせたキャラクター。

物語の後半で、彼は自由気ままに、しかし芯を捉えた意見を言います。

恋愛結婚とは言っても本当に恋愛しているとは限らないと思うんだよな(中略)相思相愛になる確率はもの凄く低いだろう(中略)もしかしたら恋愛で結婚したという感覚自体が錯覚じゃないかと思うんだよ(中略)恋愛や結婚へ向けての熱意が5分5分ってことはあり得ない、どちらかがより強く惚れて先に結婚を意識する、どちらかが強引に話を進めているなんてのがザラにあるかもしれないだろ

 全く冷静に考えればその通り。
とすると、では、好意を持つとは何なのか。好きってなんなのか。そこの言語化にトライしたのが、数々の恋愛小説なのかもしれません。

おすすめ度 ★★★★★

気づきがあり、そして、ストーリーとして、ハッピーエンドに綺麗にまとまったお話。安定の垣谷さんの本。
ところどころに、男性の身勝手さに対する納得いかなさが描かれていて、いちいち共感します。

 

うちの子が結婚しないので (新潮文庫)

うちの子が結婚しないので (新潮文庫)