八木沢里志さんの「森崎書店の日々」を読みました。
概要・あらすじ(Amazon内容紹介より)
貴子は交際して一年の英明から、突然、他の女性と結婚すると告げられ、失意のどん底に陥る。職場恋愛であったために、会社も辞めることに。恋人と仕事を一遍に失った貴子のところに、本の街・神保町で、古書店を経営する叔父のサトルから電話が入る。飄々とした叔父を苦手としていた貴子だったが、「店に住み込んで、仕事を手伝って欲しい」という申し出に、自然、足は神保町に向いていた。古書店街を舞台に、一人の女性の成長をユーモラスかつペーソス溢れる筆致で描く。「第三回ちよだ文学賞」大賞受賞作品。書き下ろし続編小説「桃子さんの帰還」も収録。
内容のメモと一言感想
1話目は失恋、しかも二股に傷ついた貴子が、おじの営む森崎書店での充電期間を経て、それを乗り越えるお話。
2話目はおじと結婚して行方不明になっていた桃子さんが返ってくるお話。
好きなところ
貴子に二股をかけた元カレ以外は、悪い人が登場しない。
森崎書店や、喫茶店の店員さん、そのお店を取り巻く人たちがみな良い人で安心して読める。
純喫茶トルンカ同様、基本、傷ついた誰かの成長が絡んでいて、読んでいて、癒されるし心地よい。
ともちゃんがかわいい。貴子とともちゃんが仲良くなるところが良い。大人になってもこういう風に気の合う女友達が出来たらいいなあ、と思う。
おすすめ度 ★★★★
個人的には、主人公が、一貫して貴子であるところが、純喫茶トルンカより好み。