どんぐり君とおにぎり君のママの読書日記

アラフォー、2男の母のブックレビューです。読んだ本の簡単な内容・あらすじ・感想をメモしてます。

垣谷美雨さんの「老後の資金がありません」を読みました。

垣谷美雨さんの「老後の資金がありません」を読みました。

 

 

 

あらすじ

本書の主人公、後藤篤子は、50過ぎの主婦。
旦那さんは、あと3年で定年を迎えるサラリーマン。
長女は28歳、長男は大学4年生。2人ともまだ実家にいるものの、そろそろ独立しようかというお年頃です。

そんなある日、長女の結婚が決まります。
お相手は大きなスーパーを経営するご家族のご子息とのこと。
結婚式に600万円も支援することになります。

続いて、義理のお父さんがなくなります。
お父さんは老舗の和菓子やさんを経営していたため、それなりの葬儀にしなければ、親戚や周りからのプレッシャーを受けます。
ここでまた数100万円の支出が発生します。

大きな支出が続き、篤子はお金の使い方について考え始めます。
気になるのは、篤子のフラワーアレンジメント仲間のさつきのお金の使い方です。
彼女はお金を使う時、節約する時のメリハリがとても上手な気がするのです。
葬儀のバタバタが落ち着いた後、篤子は、さつきに尋ねます。
さつきの義父の葬儀にはいくらかかった?


その答えは25万。
先日の葬儀に300万円かけたばかりの篤子は仰天します。
しかも、さつきは、それでも心温まる式にできたとのこと。
篤子は思います。自分はお金の使い方を間違ったのではないだろうか。
冠婚葬祭にかける費用は、あくまでそのひとときのためにかけるもので、後には残りません。
「ミエ」にお金をかけるよりも、自分や家族の将来に実用的に役に立つものにお金を使った方がいいのではないか。

お金について何かを掴みかけた篤子に、降りかかる夫婦のリストラ。
そして、訪れたちょっと危ない仕事のチャンス。
篤子たちは再び手に職をつけることができるでしょうか。
そして、家計はどうなっていくのでしょうか。

感想

お金の使い方について考えさせられる本でした。
ギリギリまで節約するのではなく、大事なところにはお金をかけてメリハリをつける。
そんな理想的なイメージはあるものの、現実はそう上手くはいきません。
大事なものが何なのか、自分の中でと判断基準がしっかり定まっていないからかもしれません。反省しながら読みました。。。

やはり予算は必要

特に、かけようと思えばいくらでもかけられるもの、

  • 旅行やレジャーにかける費用
  • 化粧品や衣料にかける費用
  • 習い事にかける費用

は年にいくらまでと、決めないとだめだよなと、改めて。
(やはり、垣谷さんの小説は自己啓発本。)

執着しすぎたり、失敗しながら、お金との付き合い方を学ぶ

物語の前半で、美しいお金の使い方をしている見本として描かれていたさつきが、物語の後半では「がめつい」ところを見せだし、一方、浪費家と思われた美乃里はスポーツジムのインストラクターという地に足の着いた職を目指し始めるのも印象的。
たぶん、お金の使い方で反省がないひとはいなくて、失敗しながら学ばなければいけないんでしょうね。
老後の資金に不安がある人、のみならず、日々の買い物で買う買わないで迷うすべての人に、考えさせられるところのある作品です。

おすすめ度 ★★★★