生田哲さんの「子供の頭脳を育てる食事」を読みました。
本書は子どもの頭脳を育てる栄養素についての情報を提供するためだけに書かれた。
そんな出だしから始まる本です。
内容のメモと感想
本書は薬学博士の生田哲さんによる本です。
生田さんはがん、糖尿病、遺伝子研究で有名なシティ・オブ・ホープ研究所、カリフォルニア大学などの博士研究員を経て、イリノイ工科大学助教授に。帰国後はライフサイエンスを中心とする執筆活動を行っている方です。本書以外にも多くの著作があります。
こちらはHP
どんな頭脳が理想か
最初に脳の話が書かれています。
脳の中には1,000億もの神経細胞が詰まっているそうです。
脳の中には1,000億もの神経細胞が詰まっているそうです。
2~3歳になると、生まれた時は2,500だっだつながりが3万にもなるそうです。
(脳の中全体としては1,000億× 30,000 = 3,000兆個)
そして学習を繰り返すことによってつながりと回路が強化されていきます。
良い頭脳って何?~学習した情報はどのように伝わっていくのか~
情報は電気シグナルとなって脳内を伝わっていきます。
情報は常に
- 電気シグナル
と言う形なわけではなくて
- 電気シグナルと言う形から
- 伝達物質という形
になっで神経細胞に伝わります。
また、
- 伝達物質という形から
- 電気シグナルと言う形
になってまた別の神経細胞に伝わっていきます。
このシステムが適切に働いているのが理想的な頭脳と言うことになるかと思います。
頭脳を作る栄養素
まず、直接的に、頭脳を作る栄養素として
- 伝達物質・その受容体を作るアミノ酸(魚介類肉類豆類などのタンパク質が分解してできたもの)
- 受容体を支える神経細胞の膜の材料になる脂肪酸(魚に含まれる必須脂肪酸、卵に含まれる燐脂質、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、コレステロール)
が紹介されています。
それはそうですよね。材料がないと伝達物質が作れません。
それはそうですよね。材料がないと伝達物質が作れません。
しかし酵素はビタミンとミネラルがなければ力を発揮することができません。
脂肪
オメガ6を少なめにオメガ3を多めに取ります。
最近ではオメガ3がいいと言うのはすっかり常識になってきましたね。
オメガ6の代表はコーン油、大豆油、べに花油、ひまわり油などの植物油。
オリーブオイルはオメガ9で、
Αリノレン酸はシソ油、アマニ油、含まれます
(100グラム当たり55グラム)
(可食部100グラムあたり、それぞれ1から3グラム)
本書のオススメは週に3回青魚をとること。
(3回ですか! 全然取れてない。)
リン脂質
燐脂質は脳の神経細胞はもちろん人体の全ての細胞の膜を形成する主成分だそうです。
また、燐脂質は絶縁の役割をすることで脳内の電気シグナルの漏電を防ぐ役割もあるそうです。
燐脂質は魚介類、鶏卵、物、大豆にレシチンとして豊富に含まれています。
タンパク質
伝達物質の材料であるアミノ酸も重要。
良質のタンパク質は、肉類、魚介類、とうもろこし、豆腐、豆類、牛乳、チーズなどの乳製品に多く含まれています。
ビタミンとミネラル
挙げられていた栄養素とそれが含まれる食物をメモしておきます。
- ビタミンB1 豚肉、玄米、のり、たらこ、未精製の植物
- ナイアシン 魚介類、未精製の植物
- パントテン酸 肉類、魚介類、未精製の植物
- ビタミンB6 未加工・未精製の植物、魚介類、バナナ、プルーン
- 葉酸 ほうれん草、葉野菜、レバー、大豆、チーズ
- ビタミンB12 肉類、魚貝類、鶏卵、レバー、いくら、うに
- ビタミンC いちご、柑橘類
- マグネシウム 緑色の早際、ナッツ類、種子、
- カルシウム 魚介類、海藻類、乳製品
- 鉄 赤身の肉、赤身の魚
- 亜鉛 かき、ナッツ類、種子
糖について
糖の理想はスローカーボ。
子供の脳にゆっくり、長く、ブドウ糖を安定供給するのがベストだそうです。
具体的にはGI値の低い食品がオススメとのこと。
パンなら全粒ライ麦パン。
ご飯なら玄米。
あまりとらない方が良いもの
カフェイン、合成着色料、精製された砂糖、トランス脂肪酸
親としての最大の任務ってなんだろう。
子供が大きくなってくると、子供は家の外で多くを学んでいきます。
そしていずれは家族の外へ旅立っていきます。
子供は社会からの預かりもの。
そんな考え方がよりしっくりくるようになるのかもしれません。
親にできる事のひとつが、おいしいご飯をつくること。
頭脳を作る栄養素のことも意識しなければと思いました。ラスト、著者の言葉の引用です。
子供の脳の大枠は、遺伝子に従って作られるが、遺伝子が全てを決めるのではない。子供なのはあなたが毎日食べさせる食べ物、子供が学んだことや経験によって変わり続ける。……だから、親としてあなたの最大の任務は、子供の学習能力を高めるのに必要な最適な栄養素を提供することに尽きる。