ダン・ケネディさんの「億万長者のビジネスプラン―ちょっとした思いつきとシンプルな商品があればいい」を読みました。
内容のメモと感想
まずは印象に残った二つの事例からご紹介。
工夫を積み重ねて作ったグリップ
テニスが趣味のトムは、テニスのグリップのことを考えていた。
彼は医学の本を読み解剖学、人類学、生理学の専門家尋ねクリップの問題を解析し試作品を作った。
彼は5年間かけて画期的なグリップを発明し特許を取得した。
彼のグリップはいろいろなものに応用することができた。
例えば、マウンテンバイクの選手たちは、彼の商品を優れたものとして認めた。
彼はグリップの特許技術を、会う人会う人に宣伝した。
しかし、思うように売り上げが伸びなかった。
彼の商品は他社の商品に比べて開発やマーケティングに時間がかかってしまったので、どうしても費用が高くなってしまった。
the club
the clubで画像検索をすると、まっすぐな道にアルファベットの言うの文字に似た部品が2つ付いた棒が出てくる。
これがアメリカでは有名になった商品「the club」 。
この商品を考案したのはウイナー。
彼は自分の車が盗まれたことに腹を立ててこの商品を思いついた。
わかりやすく、簡単に使える上に価格も手ごろなこの商品は説得力のある商品となった。
彼の会社は、わずか8年間で年商100億円企業に成長した。
2人の発明家の明暗を分けたのは何だったのだろうか?
本書はミリオネアとなった起業家の「起業ネタ」の具体例が紹介された本です。
ミリオネア起業家になるための8つの法則
本書の最後にはミリオネア起業家になるための8つの方法がまとめられています。
- ありふれたビジネスを革新する
- 収益の高い商品やビジネスを独占する
- サービス化を促進していく
- 成功したやり方をコピーして数を増やしていく
- ダイレクトに売る
- 情報をお金に変える
- 知名度を最大限に活用する
- 独創的かつ賢明な組み合わせを行う
この法則だけを初めて目にしてもピンとこないのですが、
本書を読んで、起業ネタの具体例を知ると、
「なるほど『ありふれたビジネス』ってこういうことね」
「お金になる情報ってこういうことか」
となんとなくそのイメージがつかめるかもしれません。
冒頭に紹介した例について解説すると、
the clubは、アメリカで誰もが持っている車の防犯に関する商品。
つまり「1.ありふれたビジネス」。
そしてもう一つ。
商品の技術力とは何の関係もないのですが、 the club がたくさん売れたのにはもう一つ秘密がありました。
the clubを装着していた車が盗難に遭った場合、彼の会社は最高500ドルを払うという保証があるのです。
実際のところ、盗難時間の報告件数はごく僅かであり、購入しても使用しなかった人が多かったり、購入して数年経つと保証が付いていたことすら忘れてしまったり、会社が背負う金銭的リスクは非常に少ないと著者は書いています。
それでも「特別保証がついている」というのは、商品を売るときにはとてもポジティブに働くとのことです。
これは「8独創的かつ賢明な組み合わせ」に関係するでしょう。
そう、成功した起業家はひとつの方法で富を築いているのではありません。
1つのアイディアのように見えて、たいていたくさんの方法が独創的に組み合わされているのです。
成功した起業家が、bleu oceanを行っているように見えるのは、「ぽん」とブルーオーシャンの商品を思いついたのではなくて、ちょっとずつの差別化の積み重ねなんだろうなとそう感じました。
そんなブルーオーシャンを行った起業家たちの具体例がたくさん詰まった本書。
単純に「ビジネスってこんなふうにはじまるんだ」、 と具体例を読むのはとても面白いです。
起業を考えている方も、そうでない方にもお勧めです。
億万長者のビジネスプラン―ちょっとした思いつきとシンプルな商品があればいい
- 作者: ダン・ケネディ,牧野真
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2009/07/31
- メディア: 単行本
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