岡田斗司夫さんの『頭の回転が速い人の話し方』を読みました。
話すのが苦手なので、テレビで切り返しが上手な芸人さんなどを見ると、
「なんて頭がいいんだろう」
と思ってしまいます。
しかし本書で著者は言います。
頭の回転が速いと言うのは=頭が良いと勘違いする人は多いんですが、頭の回転が早いだけでは問題解決には、ほぼ役に立ちません。
じゃ頭がいいって何なんでしょうか?
頭の回転が速い人の話し方――あなたの会話力が武器になるユニバーサル・トーク×戦闘思考力
- 作者: 岡田斗司夫
- 出版社/メーカー: フォレスト出版株式会社
- 発売日: 2015/09/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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内容のメモと感想
本書のキーワードは
- ユニバーサルトーク
- 戦闘思考力
「ユニバーサルトーク」について書いた記事はこちらです。
戦闘思考力とは
著者はハンター×ハンターからヒントを得て、この言葉を思いついたと書いています。
ハンター× ハンターには
「戦闘考察力」
と言う言葉が登場するそうです。
戦闘で勝つためには、敵を観察して弱点を分析して最適な戦略を考えることが必要です。
しかし戦いの途中に、トロトロと考えていたら、敵の攻撃を受けて死んでしまいます。
そこで必要になるのか、戦いながら、最適な方法を瞬時に組み立てる力です。
著者はこの戦闘技術を私たちが生活をする時の頭の使い方にまで落ちて落とし込んだのが戦闘思考力であると書いています。
戦闘思考力は
- 分析能力 整理して論理的に捉え直す
- 考察能力 読み取り力
- 発想能力 とりあえずの案を考える
を加味したもので
- ハイパワーの思考力
- どんな価値観にも合わせられる応用力
- 強く頼れる自己
の3つでできているとされています。
なぜ頭の回転が速い≠頭が良いなのか
著者はギアにたとえてこれを説明しています。
top gearというのは頭の回転を早くすることです。
何かを聞かれた時にパッと返せる能力。
いわゆる芸人さんの返しの能力ですね。
反対にローギアというのはイメージとしては蛭子さんで、意表を突くタイミングで重量感のあるものをいうギアです。
戦闘思考力が高い人は、これを片方だけ出来るのではなくて、状況に応じて使い分けることができる人。
単に返しが早いだけではなくて、ローギアも鍛えている人。
ローギアも鍛え、例えば2年とか3年とか粘り強く考える力を鍛えなければなかなか頭が良くならないと著者は書いています。
「家族や恋愛のこれからはどうなるんだろう? 」
こんなすぐに答えの出ないテーマはずっと考え続けなければならない。
こういう締め切りなしの考えるテーマを複数持つことで思考力が強くなるそうです。
口数が少ない人はダーツをイメージする
岡田さんの本は例えが秀逸。
上手にしゃべれない私はここが心に響きました。
ダーツをイメージしてください。真ん中の的に1回でも当てようとしても、それは素人には無理です。でも10回、20回と投げると、かなり近くに当たります。矢の数、つまり口数を増やしてみましょう。
ああかもしれない、後かもしれないとデッサンやスケッチでたくさん線を引くように言葉を繰り出すべきなんです。
言葉って伝わっているようで意外と伝わっていない。
家族とのやりとりでもそう感じることがあります。
保育園の連絡帳をカバンに入れといてほしかったのになんで伝わってないの! とか……。
事務的な事ですらそうなのに、気持ちなんてもっと伝わっていないのだと思います。
もっといろんなやり方で表現してみなければならない。
どれか1つの矢で伝えようなんて尊大だったのだと感じました。
戦闘思考力を使う際のルール
かたない、負けさせない、悩ませないようにして、答えを作る、笑わせる、すっとさせる。この6つ。
例としては夫婦喧嘩が挙げられていました。
じゃあ離婚しようかという結論になったとき、どっちが悪いのから別れるのかという言い合いをしてもしょうがない。
これから2人でどういう関係を作れたらお互いが快適かに切り替えて、決して言いかえさず、相手に負けたと思わせない。
みんながニコニコする和の場を作る。
宿題を出すのではなくて相手ができそうなことを自分も一緒に考える。
最初にあったひもの結び目を相手を現れたりリラックスさせたりすることでどんど緩くする。
言い返したりむきになったりして結び目を固くしない。
これを読んでいるだけでなんだかうまくいってしまうような気がします。
その場で勝ったりいい思いをしたってしょうがないんです。
目先の快楽にとらわれないように。
頭の回転を倍速化するレッスン
岡田さんの本のよいところは、ハウツーが手取り足取り書かれていること。
レコーディングダイエットしかりスマートノートしかり。
本書にも「戦闘思考力」を鍛えるためのやり方が書かれています。
- ローギアを鍛えるために1番良い方法=本を読むこと(10級)。
- ミドルギヤを鍛えるための列、本の内容を2ページごとに1行でまとめる(7級)。
- トップギヤを鍛える方法の例、5分以上誰かに一方的に話をする(4級)。
こんな感じでローギア、ミドルギヤ、トップギア、鍛える方法が10級から10段まで具体的に書かれています。
面白いなと思ったのはミニッツライナー。
映像を1分1行にまとめる作業です。
映画を観てその内容を1分ごとにビデオ止めて1秒にまとめます。
1分間の映像を頭の中で考えて文字に変換するこれトップギアが必要になるとのことでした。
2時間の映画でやると10時間ぐらいかかるそうです。結構大変……。
しかし、どう考えてもトップギアが使えていないので、1度くらいやってみようと思いました。
頭の回転が速い≠頭が良い。
「ギア」という概念。
ああなるほどなと心から納得し、トップギア、ローギアを鍛えて、的な会話ができる人になりたいなぁと思いました。
1日有休を取って、ミニッツライナーをする。
これ今年の目標に追加します。
とても面白かったので、次はスマートノートを読んでみようと思います。
頭の回転が速い人の話し方――あなたの会話力が武器になるユニバーサル・トーク×戦闘思考力
- 作者: 岡田斗司夫
- 出版社/メーカー: フォレスト出版株式会社
- 発売日: 2015/09/13
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