運命の人と結婚できる人は、果たしてどのくらいいるのだろうか。
ほとんどの人は、結婚できるタイミングで、その時にお付き合いしている人と結婚したに過ぎないのではないだろうか。
忘れかけていた青臭い疑問を思い出させてくれる本でした。
出会い
主人公はギタリストの蒔野とジャーナリストの洋子。
物語は2人の出会いから始まります。
2人は出会ったその日から、お互いが「合う」と感じます。
あったその日から深く共感できる、奇跡のような出会いが、人生にはある。
運命を信じたくなるような、2人の出会いの描写でした。
数々のすれ違い
そもそも2人が出会った時点で、洋子には婚約者がいます。
その後もあらゆるすれ違いの苦難が2人に訪れます。
ああ、もどかしい!!
運命論
運命の人と人生を共に歩めるかどうか。
それは、その人と自分の関わりだけではなくて、自分とその人を取り巻く全てが関与してきます。
2人を取り巻く人。洋子の婚約者、蒔野のマネージャーをはじめとする色々な人。
2人を取り巻くできごと。洋子のPTSD、蒔野がギターを弾けなくなること、子どもができること。
2人はざまざまな人や出来事に翻弄されます。
そんな日々の生活の中で、お互いが遠くの相手に、思いを馳せる心を強く生きる瞬間が、ああ、たまらないのです。
マイ恋愛小説ベスト
マイ恋愛小説ベストは、
- ノルウェーの森
- ナラタージュ
でした。これまでは。
今後は、マチネの終わりにも、これに加えようと思いました。
大人に読んで欲しい、恋愛小説です。
ラスト、その終わり方もたまらんのです。
これ映画化するんじゃないかなぁ。