どんぐり君とおにぎり君のママの読書日記

アラフォー、2男の母のブックレビューです。読んだ本の簡単な内容・あらすじ・感想をメモしてます。

三浦しをんさんの「愛なき世界」を読みました。~アツいリケジョがヒロインの物語。

三浦しをんさんの「愛なき世界」を読みました。2019/10/16

 

愛なき世界 (単行本)

愛なき世界 (単行本)

 

 

内容

恋のライバルが人間だとは限らない!
洋食屋の青年・藤丸が慕うのは〝植物〟の研究に一途な大学院生・本村さん。殺し屋のごとき風貌の教授やイモを愛する老教授、サボテンを栽培しまくる「緑の手」をもつ同級生など、個性の強い大学の仲間たちがひしめき合い、植物と人間たちが豊かに交差する――
本村さんに恋をして、どんどん植物の世界に分け入る藤丸青年。小さな生きものたちの姿に、人間の心の不思議もあふれ出し……風変りな理系の人々とお料理男子が紡ぐ、美味しくて温かな青春小説。(Amazon内容紹介より)


感想

植物の世界に没頭しまくる本村さん

本書のヒロインは、研究に没頭しまくる本村さん。
そんな風に一つのことに集中できる本村さんを、羨ましくも感じました。
むしろ、物語の後半で本村さんに嫉妬する岩間さんに共感しました。
愛されて、研究もうまく行って羨ましい。うん、人間的な感情。
ガラスの仮面で北島マヤよりも、姫川亜弓に共感したのを思い出しました。

研究に没頭する女性が肯定的に描かれているのが良いと思う

「博士の愛した数式」の「博士」のように、日常生活のほとんどを、研究に頭を支配されてい研究者の人は昔から多いと思います。
ただ、物語に出てくるそのような変人研究者は、大体は男性でした。
本書では、そのような変人(けして悪い意味ではない)の研究者が女性であるというのが良いと思う。
もしも本村さんが藤丸さんとお付き合いしたり、結婚したりしても、本村さんは日常生活の半分以上、研究のことを考えていて、でも別に藤森さんはそれでもよくて、そんな本村さんが好きなんだろうなと思った。
(家事とか育児とかまめにしてくれそう)
自分の好きなものに没頭する女性、そしてそれを肯定する男性が描かれているのが良いと思った。

おすすめ度 ★★★

難しいところだが、マニアックな世界の人々を上手く描くのが三浦しをんさんであり、しかし、本作は実験の描写が若干マニアックにすぎる。

 

愛なき世界 (単行本)

愛なき世界 (単行本)