どんぐり君とおにぎり君のママの読書日記

アラフォー、2男の母のブックレビューです。読んだ本の簡単な内容・あらすじ・感想をメモしてます。

家事を便利家電に頼ることで幸せになれるのか。~稲垣えみ子さんの「寂しい生活」を読んで~

            図書館でずっと前から予約していた方が来ました。

稲垣えみ子さんの「寂しい生活」。

深い共感を覚える箇所が多く、しあわせって何だろうと考えさせられる本でした。

著者の稲垣さんは、会社を辞め(魂の退社)、数々の家電を捨て、なんと今は電気代150円の生活を送られているそうです。 もはや仙人のような暮らしをされている稲垣さんが、現在の暮らしに至るまでの過程を描いたのが本書になります。

稲垣さんは今、洗濯物は手で、掃除はほうきとちりとりでされているそうです。 洗濯機を使いルンバを使っている私とは大違いです。 そこまで家電を断捨離してしまったのです。

印象に残ったのは、物を捨てるということは、可能性を捨てるということという考察です。 例えば、お客様用のコーヒーカップセット。 ずっと使ってないな。 この先使う予定もないかもしれない。 処分しようか。 ここでその食器を処分することは、将来、自宅に来た誰かをそのコーヒーカップセットでもてなす可能性を未来を処分することになります。 そのものを使ってもたらされる時間、その将来の可能性を処分することになるのです。 断捨離をするときに、金銭的なもったいなさという思いばかりではなく、共に感じる寂しさは、将来の選択肢を一つ消すことになるからかと思い当たりました。

稲垣さんは洗濯機で選択をする可能性まで消去してしまったわけですが、手で選択することを心から楽しんでおられるようす。

私は便利家電が大好きで、つい、フードカッターやら、 ホームベーカリーが欲しくなってしまいますが、果たしてそこまで機械にやらせる必要があるのかをもう一度考える必要があるのかもしれないと思わされました。

今は子育て中ですので、少しでも機械に頼り時短をしたいところです。 子育てが落ち着いたら、優先項目を 時間から時間を楽しむに少しずつシフトして行く方が人生が豊かになるのかもしれないと思いました。

この本を読んで、まずはできるところから、もう一度断捨離したいと思いました。