辻村深月さんの「子どもたちは夜と遊ぶ」を読みました。
あらすじ
本書の舞台は東京のとある大学。
理系の大学院生孝太と、学部生で先生を目指す月子を中心に物語は進みます。
主な登場人物は、孝太の同居人の恭二や同じ研究室の浅葱、萩野さん。
そして、月子のゼミの先生と、ゼミ友達。
それぞれに、家庭環境に何らかの事情を抱えています。
2年前、大学で1,2を争う優秀な学生である孝太と浅葱は、留学をかけた論文コンクールに応募しました。
最優秀賞に選ばれるのは孝太か、それとも浅葱か。
本人たちと周りとが息をひそめて見守る中、最優秀賞が発表されました。
「該当なし」。
しかし、以下の注意書きがありました。
ハンドルネーム「i」で投稿した学生は、連絡すること。
最も優れた論文を書いたのは「i」でした。
時がたち、彼らの周りで殺人事件が起こります。
殺人事件は連続殺人事件へと発展します。
現場に残されたメッセージやウェブ上のやり取りを見ると、殺人者「i」たちは、殺人をゲームとして楽しんでいる様子。
首謀者「i」に苦しめられる浅葱。
徐々に殺人のターゲットにされる主人公達。
いったい「i」とはだれなのか。
その答えを知るためには、最後まで一気に読むしかありません。
想像してたのと違った(ミステリーだった)
私がこれまでに読んだ辻村深月さんの本は「パッとしない子」、「家族シアター」、「かがみの孤城」、「ツナグ」、「スローハイツの人々」などなど。
初期作品はミステリー色が濃かったと、本書を読んで初めて知りました。
本書では連続殺人事件が起きます。
そして、ミステリーでありながら女の子同士の友情の微妙さが描かれています。
どの女の子もいとおしいと感じます。
感想
伏線の張り方とその回収が美しい。
あの時のアレはアレだったんだ!とか、
あー、そんな意味が込められていたのか!
というやられた感。
ミステリーとしてよく出来ていると感じました。
女同士の人間関係が細やかに描かれている
志乃ちゃんと月子の関係、真紀ちゃんと月子の関係、萩野さんと月子の関係、どれも一筋縄ではいきません。
好き、嫌いとか、女友達の一言では片づけれない関係。
でも、あまりに「ありそう」です。
キャラが素敵
女の子達や浅葱をはじめ、「美人」と描かれているキャラが多く、美形と想像を掻き立てられてしまうキャラが多いです。
また、個性と主張がはっきりしていると感じます。
少々ラノベっぽさを感じたのは、そんなところかもしれません。
人間関係の描写にも優れたミステリー。そんな位置づけの本かもしれません。
まとめ買いもできるようなので、アマゾンで購入される方はご検討くださいね。
おすすめ度 ★★★