どんぐり君とおにぎり君のママの読書日記

2男の母の読書日記です。最近は小説中心です。

垣谷美雨さんの、「夫の墓には入りません」を読みました。

垣谷美雨さんの、「夫の墓には入りません」を読みました。

 

夫の墓には入りません (中公文庫)

夫の墓には入りません (中公文庫)

 

 

あらすじ

主人公の夏葉子は40台の主婦。
東京生まれ東京育ちですが、旦那さんの転勤に付き添って、長崎で暮らしています。
子供がいない彼女にとって、夫は唯一の家族。

そんな夏葉子に、ある晩、衝撃的な電話がかかってきます。
ビジネスホテルで、夫が脳溢血で亡くなったというのです。
しかし、夏葉子は夫の死がそれほど悲しくはありません。
夫とは会話も乏しく、距離感もあり、いつもモヤモヤを感じていたのです。
1人で食べていくのが大変だから離婚こそしなかったものの、もし自分で稼げるすべを持っていたら、とっくに離婚していたかもしれません。

夫の死で、私はとてつもない自由を手にしたのかもしれない。
仕事も仲の良い女友達もいる大好きな街で、これからは1人自由に暮らしていける。
再婚だって夢ではないかもしれません。
これからの生活にむしろ喜びを感じる夏葉子に、夫の家族の存在が重くのしかかります。

姑は、家に入り浸り、しつこく旅行に誘ってきます。
彼らにも思惑がありました。
舅や夫の姉のお世話を夏陽子に手伝ってほしかったのです。
夫の父は認知症の症状が出始めています。夫の姉は、夏陽子と同世代ですが、仕事もせず、実家に引きこもっていたのでした。

夫の家族から自由になりたい

夏葉子は人からいろんなことを押し付けられるばっかりだった人生を変え始めます。

感想

主婦は何もかも押し付けられすぎ

時代が変わりつつあるとはいえ、家の中のさまざまなことを日々多々押し付けられすぎ! と感じている女性は多いのではないでしょうか。
夫が亡くなった時の夏葉子の気持ちは、そんな同世代の女性の共感を呼ぶものだと思いました。
自由になりたいと思う日も、ありますよね。

家族はこうあるべきという価値観。

嫁は舅のお世話をすべき。
嫁はこうあるべき。

その価値観は、東京と地方、そして世代によって大きく違うのでしょう。
東京育ちの夏葉子と、地方都市の旧家の姑との「当たり前」は日本の中で一番ギャップがあると言っても過言ではないのかもしれません。
会話が通じないほどのギャップがある人通しでお互いの当たり前押し付けずに生きていくのは大変です。

物語の後半で、夏葉子は自分の気持ちをいう練習をします。
夏葉子の父は言います。

相手を批判せず、自分の気持ちを言え。

とても大事なことだなと、ここ勉強になりました。

さすがの垣谷さんの作品。やはり自己啓発書のようです。物語として、とてもリーズナブルな構成でハッピーエンドにまとまっています。

 

夫の墓には入りません (中公文庫)

夫の墓には入りません (中公文庫)