辻村深月さんの「名前探しの放課後」を読みました。
あらすじ
本書の舞台はとある田舎の高校。
主人公は依田いつか君。
なかなか素敵な名前の持ち主の彼はガールフレンドが途切れないイケメンの模様。
ある時いつかは不思議なことに気づきます。
潰れたはずの店の看板がまだかかってる。
そういえば今は1月でダウンジャケットを着ていたはずだったのに随分薄着にになっている。
いつか君は3ヶ月前にタイムスリップしていたのです。
そして、いつか君は3ヶ月後の未来から重要な情報を持ち込みます。
同じ学校の誰かが12月に自殺する。
でも、その情報は重要な点が欠けています。
自殺するのは誰か。
名前探しの放課後の始まりです。
いつか君とその仲間達は同じ学校の誰かの自殺を止めるために奔走します。
いつか君達は、誰かの自殺を止めることができるのでしょうか。
SF? ミステリー?
本書はカテゴライズするとすれば、青春ミステリーとなるでしょうか。
一見SFかとも思いますが、ミステリーの要素があることは最後まで読めばおわかりになるでしょう。
(そういえば、誰かの自殺を止めるという最重要プロジェクトを進めているのに、いつか君がバイクの免許を取ろうとするのはなぜか。
あすなちゃんが疑問に思うシーンがありましたね。
その他、色々ときちんと伏線は張られていたのでありました。)
映像化、漫画化に向いてそうな、天木くん、秀人くん、椿ちゃんのまわりのキャラクターも光る作品でした。
あわせて、僕のメジャースプーンを読むとよいそうです。そして、凍りのクジラも。
最後のエピローグいまいちすっきりわからないなぁと思っていたところ、他の作品も読むとより理解が深まるようです。
名前探しの放課後に出てくる誰かが、出ているそうです。
そして、凍りのクジラも併せて読むと、ちょっとした楽しみがあります。
シリーズものではないけれど、知っているキャラクターが出てくるとちょっと嬉しい。読者サービスですね。
先日読んだ、「子供たちは夜と遊ぶ」もミステリーでしたが、こちらの方が残酷さが少なく、ひっくり返された感が強かったです。
とても楽しい時間をすごせました。
騙されないぞという自信のある方、是非チャレンジしてみてください。
おすすめ度 ★★★★