アレックス・F.オスボーンの「創造力を生かす」を読みました。
オスボーンのチェックリスト。
一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
アイディアを創出するときの助けになる方法です。
本書はそのチェックリストで有名なオスボーンさんの著書。
アイディア創出にかかわるかたの教科書と言える本かもしれません。
- 作者: アレックス・F.オスボーン,Alex F. Osborn,豊田晃
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 2008/01
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 9回
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内容のメモと感想
著者と本書について
著者の趣味はイマジネーション。
著者は広告業界でアイディアをうりに活躍された方です。
本書はあの「人を動かす」の著者である、カーネギーをして「私が自分の仕事を始める前に本書が読めていたらと思う。国中の大学でテキストとして採用すべきだ」と言わせた本だそうです。
アイディア創出の
- 基本的な考え方
- 具体例
がぎっしり詰まった本です。
アイディア創出のステップ
本書には以下のアイディア創出のためのステップが書かれています。
- 腹を決めること
- 目標を定めること
- 分析すること
オスボーンと言えばチェックリスト。
そんなイメージがありました。
しかし、リストに至る前にこんな前段があるのです。
腹を決めること
ここに書かれているのは使命感を持つことの大切さ。そして、まずは始めると言うこと。
何かについてアイディアを下すことを決め、アイディアを出し始めると、意識性が高まります。そうすると普通に生活していても、身の回りのことをアイディアに転用することを思いつきます。アンテナの感度が上がるのです。
目標を定めること~「よく説明された問題は半ば解決されている」~
「あーこんな商品があったらいいな」。
もし、あなたが開発者だったら、まずは目標を明確に設定することが大事であると著者は書いています。
目標を明確にすることによって回答が近づくとのこと。
目標設定すると開発者はそのことを意識することになります。
何気ない日々の日常で目に触れるものからも、設定した目標に関する何かを連想することになるでしょう。
この辺はアイディアの強制発想法に近いものがあるかもしれません。
課題が設定され、それに向かって努力することにより、新しい製品が生まれているのです。
この努力こそが創造力の核と著者は書いています。
分析する事実を挿入する
努力が創造力の核であるように、質問が分析の要であると書いています。
ここでは新しい事実が必要となることがあります。
たとえば科学の世界では、なぜその問題が起きているかを分析する必要が生じます。
事実はとても広い範囲の知識を要求するので新たに勉強を必要とすることもあります。
事実がわかったら、次に相互関係を発見することが大事と著者は書いています。
- 類似点
- 相違点
を洗い出します。
オスボーンのチェックリストに出てくるアイディアのふくらまし方
拡大する、縮小する、置き換える、配置換え、反対を考える、結合……。
それぞれのアイディアの膨らませ方について過去の偉大なアイディアを具体例に説明されています。
この辺は読み物として面白いです。
量が質を培う
一貫して書かれているのがアイディアは出ではなく量であると言うこと。
創造は努力なしには生まれないと言うこと。
最近読んだアイディア発想の本には全て、共通してこのことが書かれています。
鉱山会社の社長の、こんな言葉が書かれていました。
「30グラムの金を掘るには3,000キログラムの功績を堀らねばならない」
氷山の一角ですね。
多分私たちが目にしている素晴らしい発明品をヒット商品は、水面の上に出たほんの1部であって、その下にはたくさんの失敗試作品がかくされているのです。
アイディア創出にかかわるすべての方へおすすめの基本書です。
- 作者: アレックス・F.オスボーン,Alex F. Osborn,豊田晃
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 2008/01
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 9回
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