「会社やめるんです」
「えーなんで!? もったいない」
これは、著者が周りの人に退職するという話をしたときによく見られた反応だそうです。
もったいない。
なんでもったいないのでしょうか?
得られるはずの給料がもらえなくなるから? 機会損失?
今の会社で定年まで勤め上げるのが幸せなのでしょうか?
本書にはその答えのひとつが、書かれています。
著者の稲垣さんは大企業、朝日新聞社に勤める会社員。
それなりの給料、それなりのポジションを得て、好きなものを買うお金のある日々を取送っています。
うどん県への転勤
そんな稲垣さんは、うどん県への転勤をきっかけに、無い事の贅沢に気付き始めます。
その季節にならないと手に入らない野菜。
お遍路さんの清々しい笑顔。
モノにあふれた東京で生活していると気付けない発見が、地方にはあるのです。
田舎への転勤経験がある私。深く共感しました。
灰になるまで
稲垣さんの中で、何かが変わり始めます。
電気代を極限まで減らす生活を始めてみたり、1人で「朝日新聞を変える会」を始めてみたり。
会社の中で、灰になるまで燃え尽きます。
ここ、とてもかっこよかったです。
そして退職
ついに本当に会社を辞めちゃいます。
クレジットカードがつくれなくなったり、不動産を借り難くなったり、リアルな体験は情報として貴重です。
そして今
新しくなった価値観の中で会社を辞めた事のメリットが語られています。
最後もポジティブに、しめられています。
なぜこの本が面白いか
この本、すごくおもしろくて、一気に読んでしましました。
なぜこんなにおもしろかったのか。
それは、稲垣の文のわかりやすさ、テンポのよさもさることながら、「幸せとは何か」。
そんな1番身近で難しい疑問に、等身大の言葉で答えが書かれた本だから。
私は、そう思いました。
今の生活、本当に幸せかな。
考え始めるきっかけとなりました。
そして、今の会社を辞めるなら、灰になるまで燃え尽きたい。
そう、感じた本でした。