どんぐり君とおにぎり君のママの読書日記

1冊の本を読んで、1つの疑問を解消しよう。

母乳と粉ミルクについて、客観的・科学的にバランスの良い視点から書かれた優しい本。『らくちん授乳BOOK』。

現在、10か月の次男に授乳中です。

 

母乳は、

赤ちゃんがおっぱいをすう→母親の体内でホルモンが分泌される→母乳が出る!

という流れで、毎回でているわけなのですが、自分の体ながら、

「数分の短い間にホルモンが分泌されて液がでる」

という現象がおきていることが不思議でしょうがありません。こんなに急速におこる生体反応をまじかに感じられるのって授乳中だけなんじゃないでしょうか。生物ってすごいなぁ。

 

そして、母乳と粉ミルクはしばしば世間で論争の種ともなりますね。一つには主観的な意見が多く、客観的な考察があまり浸透していないからというのがあるように思います。科学的なデータを交えた客観的な意見を知りたくて、こちらを読みました。

 

産婦人科医ママと小児科医ママの らくちん授乳BOOK

産婦人科医ママと小児科医ママの らくちん授乳BOOK

 

 

「はじめに」にかかれた

・世間にはおっぱい右翼(母乳推進派)と左翼(粉ミルク推進派)がいて、どちらも善意に満ちており、抗議し辛い。

・バランスよく情報発信しているメディアは意外と少ない。

という点、深く共感しました。

 

ちなみに私は以下のことについて、迷信なのか、科学的な根拠があるのかを知りたくてこちらの本を読みました。

1.母乳は腹持ちが悪いのは本当か

2.カフェイン、アルコール、薬は多少は飲んでよいと理解しているが、具体的にはどの程度許容されるのか

3.食べたものと母乳の成分の関係。中華料理や脂っこいものを食べるとしこりができやすい気がするが因果関係は立証されているのか。

4.母乳過多気味、又は断乳したいときはどうすればよいか

5.母乳は1歳過ぎたらやめた方がよいのか。1歳すぎると母乳は栄養がなくなるというのは本当か。

6.次男は生後4~5か月のとき哺乳拒否してたが、あれはなんだったのか。

 

以下、内容のメモです。

 

1.腹持ちについて

母乳は腹持ちが悪い。しかし、胃内半減期は母乳:47分、粉ミルク65分で大きな差ではない。飲み始めの「前乳」は脂肪が少なく、後半の「後乳」では脂肪や脂溶性ビタミンが多い。赤ちゃんの体重増加のためには、片方のおっぱいが空になるまで上げた方がよい。

 

2.嗜好品について

授乳中にカフェインを飲んでもよいか

→LactMed参照。アメリカ小児学会は一日コーヒー2,3杯までは問題ないとしている。

・授乳中にお酒を飲んでもよいか

→アルコールの血中濃度が最も上がるのは、お酒単独の場合:30~60分後、お酒+食事の場合、60~90分後。2,3時間で代謝できる量は(人によっても違うが)純アルコール換算で20g程度(ビール500ml、日本酒180ml)。赤ちゃんの体重1kgあたり、0.5gまでなら残っていても大丈夫(慢性的にはよくない)。

(うちの赤ちゃんは体重が10キロ程度なので、アルコール5g程度は母乳を介して摂取しても大丈夫。仮に授乳の2,3時間前にビールを350ml飲んでも、純アルコールは14g。ほぼ代謝されてしまうし、全部のこっていたとしても母乳を介して移行する量が5gを超すことはなさそう。)

・授乳中に薬を飲んでもよいか

→用法用量をまもれば飲める薬は結構ある。抗がん剤、テープ型の気管支拡張剤等は要注意。

 

 3.食べ物と母乳の関係

・食べたものはどの程度母乳に影響するのか

→原則、哺乳動物は産後母乳だけで子供を養育するので母親が何を食べたかにかかわらず母乳の成分は一定に保たれる。

(母親の摂取量に左右される栄養素については特に授乳中バランスよくとる必要があるということですね。)

・授乳中に甘いもの、脂肪分が多いものを食べてよいか

→脂肪を多くとっても、母乳中の飽和脂肪酸不飽和脂肪酸組成は変わるものの、母乳中の脂肪量は増えない。脂肪の直径は1.5~6.0μmと赤血球より小さい。乳管は細いところでも毛細血管よりは太い。よって、脂肪でつまることはない。

乳腺炎のリスクを引き起こす原因

→分泌過多になり母乳がたくさん残る、締め付け・圧迫、授乳姿勢、疲れ・肩こり。乳製品や脂肪分の多い食事は関係ない

(どうも脂っこいものを食べると詰まりやすいので、食事中の脂肪分と詰まりは関係あるのではないかと思っていたのですが、この本では「関係ない」、とのこと。私の場合、脂肪分が多い食事→カロリーが高い→分泌過多→詰まるという流れだったということでしょうか。)

・しこりの原因は?

→乳管を詰まらせているのはカルシウムや脂肪、繊維質、なんらかの理由で濃縮された母乳が固まりになったもの。食事は一切関係なく、母乳過多のときにおこりやすい。(個人的にはこの塊を分析してほしい気も)

 

4.分泌量のコントロールについて

・母乳を飲み切らなかったり授乳間隔があき母乳がたまった状態になるとFILというたんぱく質の働きにより生産量が減る。

→生産量を減らしたければ、母乳を残す状態をつくればよい。具体的には間隔をあけるか、片側授乳。

 

5.断乳卒乳について

母乳は1歳過ぎたらやめた方がよいのか?

→1歳を過ぎたら栄養がなくなることはない。母乳中の乳糖では虫歯にならない。母乳をやめると朝まで寝てくれるかどうかは子供による。母乳をやめたからといって離乳食の進みが良くなるとも限らない。次の子はできにくくなる。自然卒乳は悪くはない。

 

6.ナーシングストライキ(哺乳拒否)

→原因不明。寝起きや寝入りばなをぼんやりしているとき、夢中で遊んでいるとき等に授乳する。

 

知りたかったことがだいたいわかって、大変満足しました。母乳推進派や粉ミルク推進派のはざまで揺れ動くお母さんに、お勧めです。押しつけがましい意見がなく、とても優しい本でした。