以前、web上の記事で作者の内田さんの名前をお見かけし、
そのとき『サイエンスコミュニケーター』と肩書を初めて目にしたので印象に残っていました。
サイエンスコミュニケーターとは、一般の人々と科学の専門知識を橋渡しする人のことだそうです。
いわゆる、でんじろう先生みたいな。
(個人的にはこの職、子育てで一度リタイアしたリケジョに向いているのではないかと思っています。)
リケジョの端くれとしてこちらの本を手に取ってみました。
もっと! おうちの科学 暮らしに効く55のおいしい知恵となるほどコラム
- 作者: 内田麻理香,赤塚千賀子
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2013/07/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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身の回りの不思議を自分が知っている科学の知識で説明するのって案外難しいんですよね。
ひとつには、残念ながら科学の知識の範囲が狭いから。
もうひとつは、教科書の外の現実の世界は変数が多すぎて、何が原因か見極めるのが難しいからではないかと思います。
不思議な現象は、原因→結果と説明されると、なるほど、となりますが、原理が難しいのではなくて、原因の見極めが難しいのです。
この本にのっている不思議も、謎解きされればそれほど難しくありませんが、聞かれるとわからないことばかり。
覚えておきたいな、と思った内容をメモしておきます。
・水の中の無機物は、酵母の栄養源となる。よって、硬水でつくった日本酒は短時間で発酵が進み、酸が多めの辛口に、軟水でつくった日本酒は時間をかけた穏やかな発行となり、糖分が残るので甘口の酒となることが多い。
・ポテトサラダは、組織が柔らかい熱いうちに下味をつけ、乳化状態が保てる常温に冷めてからマヨネーズをまぜる。
・でんぷんの糊化は80~85度なので、とろみをつけたいときは一度その温度まで下げないと小麦粉の表面のみが糊化してしまう。
・ヤマイモで肌がかゆくなるのはシュウ酸カルシウムの針状結晶が刺激するから。この結晶は酸にとけるので酢水つけると軽減される。
さらりと読めます。
が、よく知っている分野だったりすると説明が物足りない&不正確と感じるかもしれません。万人を対象とした説明なので仕方がないのですが。
どこまでかみ砕いて、どこまで省略して説明するかって、相手の知識に応じて判断するのが理想的ですし、仮に個人に説明する場合でも、迷いますしね。
子供の『なんで?』に答えるとき、痛感します。
ところで、この本は2冊目だったようです。
さかのぼって一冊目も読んでみようかな。
サイエンスコミュニケーターという生き方にも興味があるところです。
おうちの科学: 暮らしに効く おいしい!うれしい!なるほど!サイエンス
- 作者: 内田麻理香,赤塚千賀子
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2011/12/10
- メディア: 単行本
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